採用面接や取引交渉の場では、相手は当然ながら自分を良く見せようとします。
しかし、過去の職場での振る舞いは、その人物の本質を映し出す鏡です。「前の会社でどんな働き方をしていたか」を第三者の視点で確認することが、採用ミスや取引トラブルを防ぐ上で非常に有効です。
本記事では、探偵が行う勤務実態調査の内容と、企業にとっての活用場面を解説します。
勤務実態調査とは

勤務実態調査とは、対象人物が過去に在籍していた職場での働きぶりや素行を、探偵が聞き込みなどの手法によって明らかにする調査です。
履歴書や職務経歴書に記載されているのは、あくまで本人が「見せたい情報」だけです。勤務態度・社内でのトラブル・退職の真の理由といった情報は、書類上には一切表れません。こうした情報を第三者の視点から確認することが、勤務実態調査の目的です。
採用活動において、経歴詐称や素行問題が入社後に発覚するケースは決して珍しくありません。人材紹介会社や求人媒体はあくまで「マッチング」を担うものであり、候補者の人物像を深く精査する機能は持っていません。企業が自衛手段として勤務実態調査を活用する背景には、こうした採用プロセスの構造的な限界があります。
採用ミスが企業に与えるコスト

採用ミスが発覚した場合、企業が被るダメージは金銭面にとどまりません。採用・教育コストの無駄、退職に伴う業務の停滞、後任採用のための追加コストが生じるほか、横領や情報漏洩が絡む場合には法的対応も必要になります。
人事コンサルティング分野では、採用ミス1件あたりのコストはその人物の年収の数倍に相当するとも言われます。管理職・役員クラスであればそのインパクトはさらに大きくなります。事前調査にかかるコストは、採用ミスが生じた場合の損失と比べれば、はるかに小さなものです。
調査で明らかになる主な内容
勤務態度・日常の素行
遅刻や無断欠勤の常習、業務中の怠慢、服務規定違反といった行動傾向は、前職の関係者への聞き込みによって把握できます。面接では礼儀正しく見えた人物が、実際の職場では問題行動を繰り返していたというケースは少なくありません。
社内トラブルの有無
ハラスメント(パワハラ・セクハラ)、同僚や上司との深刻な対立、金銭トラブルなど、過去に問題を起こしていたかどうかを確認します。こうした情報は会社の公式記録に残らない場合も多く、関係者への聞き込みによって初めて明らかになります。
横領・不正行為の疑い
会社の備品や経費の私的流用、業務上の不正行為があったかどうかも調査対象となります。懲戒処分には至らなかったものの、社内で問題視されていたケースも把握できることがあります。
懲戒歴のない問題行動も把握可能退職理由の真偽
「一身上の都合」と記載されていても、実態は懲戒解雇・諭旨退職・問題行動による退職勧奨であったケースは存在します。退職の経緯を確認することは、人物リスクを見極める上で重要なポイントです。
役職・実績の誇張
「部長職だった」「大型プロジェクトを統括した」といった申告内容が、実態と大きく乖離していることがあります。肩書きや実績の誇張は採用後のミスマッチや業務上のトラブルに直結します。在籍時の実際の立場や業務内容を確認することも、調査の重要な役割です。
勤務実態調査が必要な場面
管理職・役員クラスの中途採用
一人の問題が組織全体に波及するリスクがあります。特に人事権や財務に関わるポジションへの採用においては、事前の調査が欠かせません。
重要な新規取引・業務提携
相手企業の担当者や代表者の人物像を事前に把握しておくことが、後のトラブル防止につながります。金銭が絡む長期契約ほど、慎重な確認が求められます。
社内の重要ポストへの内部登用
普段の業務では見えにくい素行や金銭感覚を把握しておくことが、組織を守る上で有効です。
実際にあった採用・取引トラブルの事例
管理職採用後に発覚した横領歴
製造業の中小企業が、経験豊富な経理部長候補を中途採用しました。面接での印象は良好で、提出された職務経歴書にも問題はありませんでした。しかし入社から半年後、社内の経費精算に不審な点が続出。調査の結果、前職でも同様の金銭トラブルを起こし、示談で解決していたことが判明しました。
事前に勤務実態調査を行っていれば、防げたケースです。
業務提携先代表者の素行問題
IT系の企業が、新規事業のパートナーとして別会社の代表者と業務提携契約を締結しました。契約後しばらくして、相手方の対応が急変。調査を依頼したところ、その代表者は過去に複数の会社でトラブルを繰り返し、退職を余儀なくされていた経歴があることが分かりました。
取引前の段階で人物調査を行っていれば、リスクを回避できた可能性があります。
内部登用した幹部による情報漏洩
長年勤務していた社員を営業部門の責任者に昇格させた企業で、競合他社への顧客情報流出が発覚しました。当該社員は以前の在籍部署でも情報管理に関してたびたび注意を受けていましたが、その事実が人事部門に共有されていませんでした。
社内であっても、重要ポストへの登用前には第三者による客観的な確認が有効です。
自社で調査することの限界

人事担当者が前職に問い合わせる「リファレンスチェック」は広く行われていますが、この方法には構造的な限界があります。
まず、リファレンスチェックは本人の同意と協力のもとで行われるため、候補者が不都合な情報を遮断できます。推薦者として指名されるのは候補者が自ら選んだ人物であり、ネガティブな評価が出ることはほぼありません。また、前職企業の人事部門は個人情報保護の観点から、在籍確認以上の情報提供を断るケースがほとんどです。
さらに、自社の人事担当者が聞き込みを行う場合、調査目的が相手に伝わるリスクがあります。候補者に調査の事実が知られれば、採用交渉や取引関係に悪影響を及ぼしかねません。
探偵による調査は、本人を介さず、秘密裏に実施できる点が最大の違いです。前職の関係者から率直な評価を引き出すノウハウを持ち、調査目的を明かさずに自然な形で情報を収集します。得られた情報は調査報告書としてまとめられ、採用・取引の判断材料として活用できます。
探偵に依頼した場合の調査の流れ
勤務実態調査を探偵事務所に依頼する場合、一般的に以下の流れで進みます。
無料相談・ヒアリング
調査の目的、対象者の情報(氏名・前職・在籍期間など)、確認したい内容をお伝えいただきます。この段階で調査の実現可能性と費用感をご案内します。
調査方針の確定・契約
ヒアリング内容をもとに調査プランを作成し、費用・期間・調査範囲についてご説明します。内容にご納得いただけましたら、正式に契約を締結します。
調査の実施
前職関係者への聞き込みを中心に、公開情報の調査も組み合わせながら実施します。調査期間は内容によって異なりますが、1〜2週間程度が目安です。
報告書の提出
調査で判明した内容を報告書にまとめてご提出します。採用・取引の最終判断に必要な情報を、客観的な形でご確認いただけます。
よくあるご質問
まとめ

採用や取引における「人を見る目」には限界があります。過去の職場での振る舞いは、その人物の本質を最もよく反映する情報のひとつです。勤務実態調査を事前に行うことは、企業を人物リスクから守るための合理的な手段といえます。
採用ミスや取引トラブルが発生した後の対処は、時間・費用・信頼の面で大きなコストを伴います。リスクが顕在化する前に、第三者の視点で確認しておくことが、結果的に最もコストを抑える選択です。
ミレナ探偵事務所では、採用前・取引前の人物調査・企業調査に対応しております。調査内容や費用については、まずはお気軽にご相談ください。
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